日本再生なるか
6月6日付の日経新聞に経済産業省がまとめた、日本の産業政策の指針となる
「産業構造ビジョン」の記事が出ていた。
これによれば、日本の国際的地位は急速に低下しており、
1人当たりのGDPは2000年の3位が2008年には23位、
国際競争力は1990年の1位から2010年には27位、
市場拡大の規模は2009年から2015年で新興国が15兆ドル、先進国が10兆ドルで
日本は1兆ドル、
液晶パネルのシェアは1995年の100%から2005年の10%、
DVDプレーヤーのシェアは1997年の95%から2006年の20%
等と、驚くべき数字が並んでいる。
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともてはやされ、成長モデルの優等生だった日本は、過去20年の間に「普通の人」になり、失敗モデルの国になってしまったのか?
この作成にあたった、東大の伊藤元重教授はこの「産業構造ビジョン」を、1985年に米国がグローバル競争力での主導権回復を目指して作成し、同国の産業復権の青写真となった「ヤングレポート」に倣い、その日本版になればとの思いを込めて作成したと語っているが、是非一度その内容をご覧いただきたい。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004660/index.html#vision2010
敗戦後日本は、多くの国民が日本の復興の為に国内外を問わず股にかけ、獅子奮迅の活躍をした。
しかし、豊かになった今は政治家や経済人も自分中心の考え方をする人が多くなった。
日本復活に与えられた時間は僅かしかない。
本当にその事を理解する人がどれだけいるか?
「まだ大丈夫」は、「もう危ない」のである。
吉澤 比佐志