会社の会議を英語で?
会社の会議を英語で?
楽天やファーストリテイリングは、市場の国際化に対応して、社員が海外で通用できるよう会議を英語にしたそうだ。
日産では社長が日本語が話せない為に、会議を英語にしたのは致し方ないと思ったが、世界でも有名な英語下手の日本人同士がどうやって意思疎通をするのだろうか?
もう20年以上も前だが、私は比較的頻繁に英語を使う仕事をしていた。
英語が得意だったのでさほど苦に感じた事はなかったが、苦労して勉強している新入社員はたくさんいた。しかし、数年もすれば会話や交渉事にも慣れ、仕事をこなせるようになる。
苦労するのは商談が終わって食事に行った時の英語での日常会話というのは笑い話のような真実だが、英語力をカバーしうる個性で酒宴を盛り上げて外国人を虜にするビジネスマンはいくらでもいた。
戦後の日本の繁栄はバイリンガルでも何でもない、RとLの区別もできず、thの発音をするたびに舌を噛んでいたようなコテコテの日本人がブルドーザーの如く世界中を駆け回り作って来たのである。
最後は英語力より人間力なのだと言う事が実証されている。
国際戦略の為の有効な手段と経営者は考えているのだろうが、日本人にとって日本語というのは、自分自身の喜怒哀楽を最も適切に表現できる大切なツールであり、その言葉を使って色々な文化を生み出してきた魂の源である。
商売の為とはいえ、日本語をそんなに簡単に放棄していいものだろうか?などと考える私は時代遅れな経営者なのかも知れない。
吉澤 比佐志