東日本大震災に想う

3月11日に発生した大震災から1カ月が経過した。

被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。日々皆様の生活に希望の光が増します事をお祈り申し上げます。

1か月が過ぎた今も原発の放射能漏れは解決されず、国民はこれをどのように受け止めれば良いのか困惑している。
われわれはこれまで、「原発は絶対安心」「原発は絶対に必要」と叩き込まれてきた。
しかしそこには、「大きな自然災害が起こらなければ」という大前提があったのだ。
まるで、ロシアンルーレットのような話である。

昨日保安院は事故の評価尺度がレベル7だったと発表した。
事故当初から「チェルノブイリ級ではない」と繰り返してきたが、実際には3月の中旬には既にレベル7の放射線物質が出ていた。
しかし、「健康には影響が無い」を繰り返していた為、発表できなかったと推察される。
また政府は、福島第一原子力発電所から半径20km圏外の一部地域を、「計画的避難区域」として地域住民を避難させると発表した。これも今までは、屋内待機や安全とされていた地域だ。

被災者の方たちは地震・津波という自然災害については、受け入れざるを得ないと思う。
しかし、残念ながら原発事故は人災である。
人災であるからこそ、国民の安全や日本の信頼を真に慮る人たちが、自分たちの仕事に対する誇りを懸けて解決しなければならない。
しかし、当事者たちは、国民の安全より、個人や自分の所属する組織の安全を優先している様に思えてくる。
その中命懸けで事故処理にあたっている人たちは、自衛隊、消防、下請け企業などであり、原因を作った人たちではない事を忘れてはならない。

「国を支えて、国に頼らず」
福沢諭吉の言葉である。

現状を嘆く小生に、友人がアドバイスをくれた。今の日本に生きる我々の行動指針をこれほど端的に示す言葉は無い。
日本人一人ひとりが現状を真摯に受け止め、誰かに頼ることなく今何をなすべきかを考え、自分の道を自分で切り開く知恵と勇気を持ち行動を起こすのだ。それがこの国に新しい夜明けをもたらすと確信する。

吉澤 比佐志

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