家族的経営

日本が高度成長期にあったころ、企業は運動会社員旅行、リクリエーション等を頻繁に行っていた。
私が社会人になった30年余り前も、休日にそれらのイベントに引っ張り出されることが多く、
それに加えてクラブ活動も盛んで経験もないヨット部の練習に参加したりした。
毎日夜中までの仕事が当たり前だったので、休日くらいは休みたいとも思ったが、
先輩たちの面倒見も良く、家族のような安堵感があり社員同士の連帯感は強かった。

しかし、最近は「会社は会社、プライベートはプライベート」という傾向が強くなり、

参加者が減った為に社員旅行を廃止した企業も多いと聞く。
私自身もかつてのファミリー感覚の会社は、日本的なものと考えていた。

ところが、いまアメリカの新興企業では、かつて日本の企業で盛んだったバーベキュー大会、社内飲み会など、社員同士の付き合いを盛んに行い会社内のコミュニケーションの良化を図っているという。
靴の通販で有名なザッポス社では独立記念日やハロウィン、サイトのリニューアルといった行事ごとにバーベキューパーティや仮装コンテストが行われているそうだ。
社員からは「イベントを通じて、ザッポスファミリーとしての一体感を持てるのがよい」といった意見も多く聞かれるそうだ。
またザッポス社はオフィスがまるで学校祭のようにデコレーションされており、社員食堂では、食事・飲み物・お菓子などはほぼすべて無料。
食堂スペースは、カラオケ大会や詩の朗読会にも使われることが多いそうだ。社長のトニー・シェイは社長の仕事として最も大切なのは、
企業の風土作りと考え、社員が満足して働ける環境の提供に腐心しているという。

 日本的な家族的経営が高度成長を支えたとは言わないが、
社内の連帯感や良き企業風土の醸成に役立っていた事については否定できないと思う。
ザッポスの社員が言うところのファミリーとしての一体感が良い仕事やサービスを生み出していたと思う。

県トラは今年「濃い会社」になる事を標榜している。
社内飲み会や社員旅行、バーベキュー大会などを盛んに行い、
社員同士の心の触れ合いの場を持ち、
強いチームワークを作り出したいと感じている。
そして県トラファミリーである事を誇りに持てるような職場の環境作りをして、従業員の満足を引き出し、
その結果お客様に喜んで頂ける仕事ができる会社になりたいと思う。その為の家族的経営の復活である。

 

吉澤比佐志

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