季節外れの大雪

今月8日に降り出した雪は、10日にはこの時期としては異例の43cmの積雪となった。
富山地方気象台によると12月上旬の最高積雪を記録したとの事である。

気象庁はその原因として偏西風の蛇行を挙げており、
例年より南側に蛇行することにより大陸の寒気を日本に引き込んだのだそうだ。
更に寒さは年明けまで続き、クリスマスごろに再び強い寒波が襲来する可能性があるので注意が必要との事だ。
冬が始まったのである。近年地球温暖化が叫ばれるが、ここ数年は積雪も多く寒い冬が続いている。
北陸に雪はつきものではあるが、心のどこかで暖冬を願っていた。
3か月予報で平年より寒いという予報が出ていてもである。

さて、この想定外の雪が降ったのは週末である。
日曜日の深夜に40センチを超えており、この時点で大雪に対するシュミレーションを開始するのが豪雪地帯の心得である。
しかし、月曜日の朝になって、そのシュミレーションに見落としの有ることに気付いた。
子供が乗るバス停の除雪である。
本来は自分の仕事ではないが、かなりの確率で雪に埋まっており、
除けなければバスに乗ることができない。
慌てて行ってみると大人でも乗車地点に到達できない程の積雪があった。
また湿気の多い重たい雪なので、思うように作業がはかどらないため大半は足で踏みつけて通路を作り、
子供や他の乗客は無事バスに乗り込んでいった。

そして、普段より30分以上早めに家を出発したが道路は大渋滞。
それも予想をはるかに上回る規模であった。
延々とつながる車を見ながら、毎年経験することなのに、
暖かい季節を経験すると冬の厳しさに対する心構えが風化してしまうことを、
毎年のように反省している自分がいた。

結果的には、朝礼開始に10分近く遅刻をしてしまった。
きっと他にも遅れている者がいるだろうと朝礼場所の倉庫に行って驚いた。
誰一人欠けていないのである。
聞けば、事前に早く出社して皆で除雪をする段取りをしていたそうだ。
朝礼で皆の顔が眩しく見えたと同時に、自分の至らなさを反省した。
ほろ苦い冬の幕開けとなったが、もう一度気を引き締めて、
厳しい冬を乗り切りたい。

 

吉澤 比佐志

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