「表現力」とは
平成20年に改訂された小学校の学習指導要領では、
児童の「生きる力」をはぐくむことを理念として、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない、としている。
これからの世代が世界中どこに行っても、自分の考えをしっかりと表現できるようになれば素晴らしい事だと思う。
正直言って私は自分の「表現力」についてはあまり自信が持てない。毎月会社の勉強会「県トラ塾」で若手の社員に対し、講話をする機会がある。
その内容に関する社員の感想文を読むと、言いたい事が思いの外伝わっていない事がある。ある上場企業の社長が、伝えたことが伝わったことではなく、伝わったことが伝えたことだと言っておられた。言い換えれば、自分が伝えたと思っている事でも、伝わっていなければ、それは伝えたことにならないということだ。
「表現力」とは、伝えたいことをわかり易く、より多くの人に言葉や文章などで正確に伝える能力だと思う。自分の思いが相手に伝わっていないとすれば、それは伝え方に問題があるということだろう。
冷静に振り返れば、自分の思いだけで語っていることが多く、理解してもらう配慮に欠けていると思う。
とは言え、伝え方は工夫や経験によって改善する事ができる。
例として、相手にわかり易い言葉で話す、根拠を明らかにする、具体例を盛り込む、数字を使って説明する、図やチャートを用いる等がある。試行錯誤を繰り返しながら、表現力が身に付いていくと思う。
一生勉強である。
仕事においても表現力は重要なツールである。同じ内容の話しをしていても、話し方によって伝わり方が全く違う。社員一人一人の成長は自分の考えをしっかり伝えられるかどうかというところに現れる。社員の能力を引き出すためにも、彼らが自分の考えを表現できる環境や機会をより多く与える事が必要であると考える。豊かな表現力で会社をアピールしてほしいと思うからである。
吉澤 比佐志