終戦70年に思う

今年は第2次世界大戦が終わってから70年の節目の年を迎えている。安倍首相の談話には賛否両論あるが、個人的には評価に値するものだと思う。
敗戦の教訓から、日本は平和国家建設に最善の努力をしてきた。しかし今は、終戦当時の状況とは全く異なった安全環境にあることをしっかり意識して、この国を守ることを考える事が必要だと思う。
しかし、だからといって「日本は悪くない」という内向きな考え方に陥る事も賢明ではない。政治的なプロパガンダや教育により、今でも日本に対する誤解を持っている人はたくさんあると思う。
だからこそ、特に政治家には、日本が世界の平和に貢献できる活動をしっかりしてもらいたい。戦時中とは比べ物にならない豊かな生活を享受する中で、その豊かさを分かち合える活動を通して、日本の価値を世界にアピールすることが、ひいては日本の平和につながると思う。
残念ながら今の日本人には、自分中心の内向きな考え方の人が多いと思う

これは企業に関しても同様なことが言える。アベノミクスにより、その恩恵を得ているのはほとんど大企業である。賃金の上昇も大企業の方が多い。
しかし、その増益により我々のような輸送業者の労働環境が改善されることは、さほど多くない。荷主の利益優先のつけが我々輸送業者の負担に委ねられることもある。荷主の輸送最適化のために、労働時間並みの荷待ちを要求されることがある。内向きの利益が優先されている為だ。

また最近では誰でも知っているような大企業の不正がたびたび明るみになっている。自分の任期中さえ良ければよいと粉飾決算を部下に強いるような事例だ。これにより会社は今後大きな負の遺産を背負うことになる。大戦に向かう当時の日本にも似ている。このような人たちが財界で日本の将来を考えているようなら、恐ろしいことだ。

勿論、取引先との条件を積極的に改善に動く企業もある。その場合、相互理解により強いパートナーシップが生まれる。当然我々は顧客に対する信頼を強く抱き、より良いサービスの提供をする。何より彼らは聞く耳をもっている。

国際関係が複雑化する中、最近は中国や韓国に対し強い反発を持つ人が多い。わからないでもないが、自分の生活の中で絶対に認められないという存在がいないだろうか?相手がどんなに誠意を尽くしても、「絶対許さない」というものが。仕事の場合はそれを乗り越えて信頼関係を作る。国家間の問題解決も時間はかかるが不条理と諦めずに辛抱強く取り組んでいかなければならないと思う。

財政再建や少子高齢化など多くの問題を抱えた日本。10年後にはどんな国になっているのだろうか。

 

吉澤 比佐志

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