冬来たり

12月を迎え、富山は冬型特有の、雨や雪の日々が始まった。富山に転勤で来ている人は、太平洋側とは対照的な鉛色の空を憂鬱な思いで眺めていると言う。ゴルフも春までお預けだ。その冬のイメージから、日本海側の都市は天気の悪い地域と思われている。

調べてみると、富山県の日照時間は年間1769時間で、47都道府県中の39位である。因みに最も多いのは埼玉県の2366時間で、最も少ないのは秋田県の1647時間である。沖縄県は意外に少なく1760時間で42位だ。富山県と埼玉県の差は597時間であり、約50日埼玉は晴れの日が多い計算になる。確かに埼玉の人が、富山は天気が悪いという印象を持っても仕方がないのかも知れない。それでは世界の都市はどうなのかと調べてみると、アメリカではニューヨークが2535時間と日本の1位の埼玉県より長く、ロスアンジェルスに至っては3254時間もあり、昼間の75%が晴れている。また、ハワイのホノルルが3042時間というのも納得である。一方パリは1630時間、ロンドンに至っては1460時間で両都市とも秋田県より短く、特に冬の間は曇り空が続くので有名である。ロンドンのひと冬を過ごしたことがあるが、雪はほとんど降らないものの晴れた日が少なく、雨がよく降っていたように記憶する。北陸育ちの私にとってほとんど違和感を持たずに過ごせた。冬に富山を訪れる人に「こちらは天気が悪いですね。」と言われると何だか申し訳なく思っていたが、気にするほど悪いようでは無いようだ。それに晴れた日の立山連峰はそれを帳消しにしてくれるほどの絶景であり、冬の降水量のおかげで富山湾にミネラルを豊富に含んだ伏流水が流れ込み、美味しい魚が育つ事を忘れてはならない。また、冬の厳しさのおかげで春の有難みを感じる事もできる。とは言え、仕事柄も含めて雪に翻弄される季節でもあり、備えは十分にしなければひどい目に合う。去年は大雪で交通網が乱れ、対応が大変だった。今年はどんな冬になるのだろうか?また、天気予報とにらめっこの日々が始まった。

最後に今年も富山県トラックをお引き立て頂き有難うございました。皆様どうか良い年をお迎えください。

 

吉澤 比佐志

お問い合わせ