能登について
9月21日から23日までの間、台風14号から変わった温帯低気圧、および活発な秋雨前線や線状降水帯などの影響で、石川県の奥能登地方(能登半島北部)を中心に記録的な豪雨となった。それにより奥能登地域を中心に河川の氾濫、土砂災害が多発し、14人が死亡し1人が行方不明となった。元旦に起きた大震災の復興もままならない中、現地の人々は再び厳しい生活環境を強いられ、将来が描けない日々を送っている。
震災の直後、七尾市で日本料理店を営む知り合いに、店が被災したと聞いて訪問した。倒壊の危険が有り中には入れなかったが、画像で見た店内は修復不能な状態だった。間もなく40才になる店主は、多くの修業を経て数年前に店を構え、県外からの客も訪れるようになった矢先だった。それでも彼は地元の復興のために、己を奮い立たせ、炊き出しをしたり、イベントをしたり、声がかかれば遠方まで出張料理と、今も休む間もなく動き回っている。若いとは言え、そのエネルギーには頭が下がるばかりである。
「能登はやさしや土までも」と言われる通り、能登は人も景色も雰囲気も穏やかで優しい。一日も早い復興が望まれるところだが、国の対応は遅々として進んでいない印象だ。その上にこの豪雨、このままでは能登から人が、どんどん離れて行ってしまうかもしれない。
そんな中、いま我々に何ができるだろうか?勿論義援金などを通しての協力は出来ると思う。私はそれ以上に、もっと能登の事を知りたいと思う。無料の高速道路である能越自動車道が出来、能登は富山からのアクセスがとても良くなった。今はネットで様々な観光スポットを見つけることが出来るので、検索してみて行ってみようと思う。ただ旅館などはまだまだ再開が出来ていないところが多いようだ。更に1年以上の時間を必要としているようで、本格的な稼働は再来年になるようだ。私の知り合いも、再来年の再開をめざしている。
多くの人が能登のすばらしさに触れ、これまで以上に愛される地域になるよう、隣県の我々に何が出来るのか、これまで以上の関心を持って能登を見つめて欲しいと思う。
吉澤比佐志