トランプ大統領に関する報道を見て
2017年1月20日共和党のドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領に就任した。選挙戦の時には民主党のヒラリークリントン氏が有利とされていたが、大番狂わせでトランプ氏が当選したかのような報道がされ、テレビではヒラリー氏有利を予測していた人々が苦しい言い訳に躍起になっていた。しかし、得票を見るとまさに接戦であり、トランプ大統領が選挙によって選ばれた大統領である事は紛れもない事実である。米国民はトランプ大統領に自分たちの国を託したいと感じたから投票したのである。そしてそのトランプ氏当選を予見できなかった人たちは分析不足・勉強不足であり、海外の報道を鵜呑みにしていたのであろう。見る側から言えば、こういう人の意見を鵜呑みにしてはいけない。しかし、その見識不足のコメンテーターが一転、同じ口でトランプ氏の政権運営を予測しているのには、呆れてしまった。また同じ間違いを犯そうというのだろうか?視聴者の多くはそれを事実として認知して自分の考えを形成していくのだから、その責任は大きい。裏返せば、新聞やテレビで語られることを自分なりに受け止め、その是非を考える癖をつけなくてはならないということである。自分はトランプ氏の支持者ではないが、選挙期間中のネガティブな報道で、考えに偏りが生じたことは否めない。氾濫する情報の中から正しいものを拾い出すのは難しいが、感情的にならず冷静に判断していきたいと思う。
さて、去年は英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生など、世間の予測を裏切る事が起こった。これを自国第一主義や保護主義等という言葉でひとくくりにしていいのだろうか。この流れの根底には、政治家や行政が自分たちの利害を優先し、国民の事を考えて行動していないのではないかという選挙民の思いがあるように思う。富山市議会や小池劇場と言われている東京都議会の混乱を見ていると、トランプ現象がダブって見えてくる。奇しくも「都民ファースト」と「アメリカファースト」、そこで生きている人たちの暮らしが本当に尊重されているのか?自分達ばかりが損な役回りをさせられているのではないか?そんな声が聞こえてくる。今年行われる富山市議会議員選挙と東京都議会議員選挙で選挙民はどのような判断をしていくのであろうか、大変興味深い。
吉澤比佐志