完成近づく富山駅

北陸新幹線が開通して間もなく4年になる。時の経つのは本当に早いものだ。新幹線に関しては、何度かブログには書いたが、開通後の富山駅には多くの観光客が訪れるようになり、特に外国人観光客が目を引くようになった。富岩(ふがん)運河環水公園にある「世界一美しいスタバ」周辺は、外国語で溢れている。新幹線のもたらす集客効果は想像以上に大きかったと言える。

さて、ここで再度取り上げたい事がある。それは、富山駅がまだ完成半ばだという事である。現在富山駅の北側に出るには、南口(正面)を出て地下通路を通らないと行けない。これに数分を要する。新幹線の開通時にはほとんどの利用者がこのことを知らず、計画のあまりの杜撰さに開いた口がふさがらなかった。当然観光客からも大変評判が悪かった。何故なら、大型の観光バスのターミナルが北口にあったからである。私事であるが拙宅も駅北にあり、出張から疲れて帰るたびに、あなぐらの様な通路を通る事が億劫だった。

なぜこのような事になったかと言えば、新幹線と並行して走る旧JR北陸線、現在の「あいの風とやま鉄道」の高架化が遅れたからである。当初3年で完成と言っていたものが遅れている。

しかし、その高架化が来月完成の運びとなる。今後、今年の4月には地下通路を通らずに、北側から新幹線の改札に直接通り抜けできる、幅5mの連絡通路が出来、10月には青年会議所の全国大会の開催に合わせ20mに拡張され、最終的には来年3月に25mで完成の運びとなる。同時に市電とライトレールの接続が行われるとのことである。尚、南北線呼ばれる駅西側を通る通り抜けの道路は、2021年の10月ごろの完成となるようだ。

最近になって、漸くテレビでこの詳細が報道された。新幹線が完成する前からずっと疑問に思っていたが、完成が見えて来たのでやっと放送したのかと、ひねくれた気持にもなるが、利便性が高まる事は誠に有り難い。と同時に、富山の玄関口としての、富山駅の魅力をこれからどのように作っていくのかに、興味が移る。

金沢の鼓門の前や、まだ開通に4年余りあるにも拘らず整備された福井駅の「恐竜広場」の前では、観光客が記念写真を撮っている。開通したにもかかわらず、駅前の工事をしていた富山駅の、おもてなしの心がこれから問われる事になる。とは言え、先日駅の目の前での大型ホテルの計画が発表され、重厚長大が得意な富山県らしい無骨な風情になりそうだと、秘かに思っているのは私だけではないかも知れない。

 

吉澤比佐志

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