米国を旅して感じた事

先日20数年ぶりに、米国西海岸を旅した。これまでの旅との大きな違いは、旅行代理店に一切頼らず全てネットで対処したところにある。当初は中小の代理店に依頼を試みたが、逆にネットで予約する事を勧められ、大手の代理店からは30%の手数料を要求された。旅のリスクを最小化するために30%の保険をかけるくらいなら、自分でやってみようと考えてチャレンジしてみたが、手続き自体は思ったほど難しくなかった。

まず航空券やホテル予約だが、該当するサイトに入って、購入に必要な条件を入力すれば完了した。キャンセルが可能かどうか等の条件設定に注意して、支払いはクレジットカードで決済した。

野球観戦のチケットは球団の公式サイトで座席の位置を特定して料金を確認の上予約し、クレジットカード決済をすれば、チケットのバーコードが送られて来るので、それを提示して入場した。そのやり方はネット検索で知ることが出来た。

交通手段は日本のタクシーの機能を果たすウーバー(Uber)やリフト(Lyft)のサイトに登録して、調達した。登録方法や車の呼び方もネットで詳細な情報を入手することが出来た。要は予約サイトのアプリをダウンロードして、そこにクレジットカードの情報を含む個人情報を登録すれば、スマホの位置確認で自分のいるところを認知され、行き先を登録するだけで、車種・車番・ドライバー・料金・待ち時間・到着時間が表示される。条件の違う複数の車輌がオファーされるので、用途に応じて車が決められる。目的地が近く少数人員ならコンパクトカー、長距離でスーツケースが多ければ大型車などの選択ができる。

約1週間の旅行で、現金を使用したのはホテルのチップのみで、それ以外はクレジットカードとスマホさえあれば、米国旅行は何とかなると確信した。

かつて米国の効率の悪さを日本人は折に触れて指摘したものだが、今回ITを通して米国の生産性が非常に高くなっている事を実感した。ウーバーやリフトの便利さはIT技術がもたらした産物であるが、日本では規制が多くこれを導入する事が難しいと言う。

アナログにあふれた日本は今後どのように生産性を上げて行くのだろうか?GAFAやテスラに代表される米国の企業はITの力を駆使して新しい価値観を創造した。ソニーやパナソニックで驚異の戦後復興をアピールした日本が浦島太郎にならぬよう、日本人はもっと海外に目を向けて欲しいと思う。

 

吉澤 比佐志

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