富山県の人口について
今年4月1日時点の富山県内の推計人口は、前の月よりも2600人余り少ない99万9476人となり、70年余りにわたって維持してきた人口100万人台を割り込んだ。県の人口は、第1次ベビーブーム期の1949年に100万人を超え、1998年には112万人まで増えたが、その後は減少が続いていて、4月1日に公表された最新の推計で100万人を下回った。
県策定の「人口ビジョン」によると、2050年に85万9000人、2060年に80万6000人を目指すとしていたが、「国立社会保障・人口問題研究所」が去年12月に公表した将来推計によると、26年後の2050年には76万1719人にまで減る見通しが示され、県の想定との間に9万7000人の隔たりが生じている。
出生数を見ると戦後の1972年の18975人をピークに2023年は5512人まで減少しており、人口減少に拍車を掛けているように思われる。
想定を上回るペースで人口減少が進んでいることについて県は、全国的な少子化に加えて、富山県では若い女性の県外への転出が多いことなどが要因と分析して対応を検討し、県内企業への就職の促進、若い世代の結婚や子育て環境の改善に重点的に取り組み人口減少のペースを緩やかにしたい考えのようだ。
現在の状況を野放しにすれば、富山県では毎年1万人近い人口が減少して行く。身近なところでは、公立の学校では、統廃合が加速すると思われる。
私は経営者として県外の人からでも魅力を感じる企業を作れなかったことに対する責任は有ると思っている。仕事を面白いと思ってもらえるような仕掛け作りが不十分だったと思う。仕事のダイナミックさや、人材の豊富さにおいて首都圏と比較にならない環境だとすれば、優秀な人材に富山に帰ってきてもらう以上に、今富山で頑張っている人たちを育てるしかないと思う。富山に住んでいる人が生き生きとしていなければ富山は変わらない。特に若い人は他人事とは思わず、自分に何が出来るかを冷静に考えてもらいたいと思う。