近未来の物流業

野村総研と英国オックスフォード大学の共同研究により、国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボットで代替される確率を試算した結果、この10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらが代替することが可能との推定結果が得られたそうである。そして、現在ひとがやっていることを自動化できる代替可能性の高い100種の職業の中には、一般事務員、受付係、出荷・発送係員、倉庫作業員、宅配便配達員、保管・管理係員、経理事務員、積卸作業員等の物流業に係る業務が多く含まれている。また、これらの職業に加えてアメリカではトラックの自動運転が試行されており、実用化を模索しているというニュースが先日NHKで報道されていた。人口減少が大きな問題となっている日本では、さまざまな職業の自動化に対する研究が、今後益々加速度的に進むであろう。特に物流業界のような人手不足が深刻な業界では、この流れは業務全体の仕組みを変えることになると思うし、これは避けて通れない道であると思う。一方見方を変えれば、新しいテクノロジーを駆使すれば、生産性を飛躍的に高めることが可能になるという側面があることを忘れてはいけない。現在欧米では、コストの安い外国人労働者により自国民の仕事が奪われ、失業に追いやられることが問題になっているが、これからの技術革新の方がはるかに脅威になるのではないだろうか?どれだけ不満を言ったところで、問題は頭のいい人たちがどんどん解決していくのであり、新しい環境に適合できなければ、人も企業も淘汰されていく事になる。これからの世の中の変化を嘆き悲しむのではなく、それをいかに有効に我々の仕事に取り込めるのかを考えることはワクワクする事であり、たとえ今の仕事が無くなっても、他にやるべきことが必ず有り、それに適合できれば今よりはるかに豊かな生活が可能になるように私は思う。物流業を魅力ある業界にするためにも、環境の変化を好機と捉えたいと思う。

吉澤 比佐志

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