社長ブログ”千客万來”

親孝行


 新卒採用の面接をしている時に、県外からUターンを考えている学生に、何故富山に戻りたいのかと聞くと、「富山に戻って親を安心させたい」とか「親孝行をしたい」という答えが返ってくる事が有る。これが果たして本音なのか、それとも面接のための模範解答なのか、正直のところ分からない。確かに答えとしては想定内なのだが、彼らの親はだいたい50才台前後の、元気バリバリな人達ではないかと思う。彼らが考える親孝行とは、具体的に何を指すのだろうか?親と一緒に住むことで、親が安心するのだろうか?一緒に旅行に行ったり、食事に行ったりすることが親を喜ばせることになるのだろうか?確かに、それを親孝行と感じる親がいることも事実だと思う。親の喜ぶことをして、親の期待に応える事が、親孝行と感じている子供もいるだろう。
 親子の関係は家族によって違いが有ると思う。しかしそれは年齢とともに成熟しお互いが子離れ、親離れをして行くものだろう。子供は自分の将来に関しては、親の価値観に影響されることなく、自分の道を切り開いて行くべきだし、親は自立した子供を見守り、自分自身の人生を生きていかなければならない。子供が自立しても20年近くは自分個人の人生がある。孫の成長や昔話ばかりが楽しみになっては寂しいというものだ。親孝行で与えられることを期待せずに、自分の人生を謳歌してほしい。いずれ、嫌でも年老い子供の世話になる時が来る。親孝行はそれからでも遅くない。
 富山の企業にとって、Uターンをしてくる学生は宝物である。親元を離れて生活したことは、得難い経験だ。だからその経験を活かし、自分のやりたいことを見つけて欲しい。
富山には頑張っている企業もたくさんある。是非後悔しない会社選びをして欲しいと思う。


吉澤 比佐志

春を迎えて

 平成29年の新年度が始まった。北陸の長い冬は終わり、桜の花も満開となった。

 この4月より、富山県トラックは3ヶ年経営計画という、中期計画をスタートさせた。富山県トラックが更なる成長を実現し、お客様から必要とされる企業となる為の計画である。この策定にあたっては、昨年の9月にタスクフォースチームという実行部隊が結成され、担当した。このチームのメンバーは30才台の管理職を中心に各部署から抜擢され、彼らの任務は平成29年3月までに経営計画を作り上げ、ステアリングコミッティ(運営委員会)と呼ばれる経営陣にその内容の是非を問うというものである。

 タスクフォースチームは経営には不慣れなため、この半年間にわたり経験豊富な指導者の教えを仰ぎながら、数多くの会議を重ね、様々な分析を行い、現状を把握し、問題点と解決策を検討して、約束の3月に答申案を完成した。そして、ステアリングコミッティの慎重なる精査の末お墨付きを取り、3ヶ年経営計画は4月より予定通り実行の運びとなった。我々経営陣は、6か月間ほとんど口出しをせず見守るだけではあったが、このわずかな期間にも、軽油の価格はリッター当たり10円以上の値上がりをし、採用環境も悪化の一途をたどり、タスクフォースチームの苦労は容易に想像できた。しかし、やると決まったからには何としてもやり遂げなくてはならない。3ヶ年計画の骨子である、①県トラのあるべき姿(目標)を明確に、②一丸となってやる、③成長し続ける、を肝に銘じ日々精進したい。また、期を同じくしてドライバーの小集団活動も始まった。富山6チーム、石川3チームが結成され、目標設定を行い品質向上に努めている。もともと県トラのドライバーはお客様からの評価が高いのだが、それに甘んじることなく活発に意見を出し合っている姿は、本当に頼もしい。3ヶ年経営計画をドライバーもしっかり支えている事を実感した。

 富山県トラックはいま、一人一人の社員が、自ら考え、行動することで、未来を切り拓いていこうとしている。お客様に愛され必要とされる企業になるために。


吉澤 比佐志

トランプ大統領に関する報道を見て

2017年1月20日共和党のドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領に就任した。選挙戦の時には民主党のヒラリークリントン氏が有利とされていたが、大番狂わせでトランプ氏が当選したかのような報道がされ、テレビではヒラリー氏有利を予測していた人々が苦しい言い訳に躍起になっていた。しかし、得票を見るとまさに接戦であり、トランプ大統領が選挙によって選ばれた大統領である事は紛れもない事実である。米国民はトランプ大統領に自分たちの国を託したいと感じたから投票したのである。そしてそのトランプ氏当選を予見できなかった人たちは分析不足・勉強不足であり、海外の報道を鵜呑みにしていたのであろう。見る側から言えば、こういう人の意見を鵜呑みにしてはいけない。しかし、その見識不足のコメンテーターが一転、同じ口でトランプ氏の政権運営を予測しているのには、呆れてしまった。また同じ間違いを犯そうというのだろうか?視聴者の多くはそれを事実として認知して自分の考えを形成していくのだから、その責任は大きい。裏返せば、新聞やテレビで語られることを自分なりに受け止め、その是非を考える癖をつけなくてはならないということである。自分はトランプ氏の支持者ではないが、選挙期間中のネガティブな報道で、考えに偏りが生じたことは否めない。氾濫する情報の中から正しいものを拾い出すのは難しいが、感情的にならず冷静に判断していきたいと思う。

さて、去年は英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生など、世間の予測を裏切る事が起こった。これを自国第一主義や保護主義等という言葉でひとくくりにしていいのだろうか。この流れの根底には、政治家や行政が自分たちの利害を優先し、国民の事を考えて行動していないのではないかという選挙民の思いがあるように思う。富山市議会や小池劇場と言われている東京都議会の混乱を見ていると、トランプ現象がダブって見えてくる。奇しくも「都民ファースト」と「アメリカファースト」、そこで生きている人たちの暮らしが本当に尊重されているのか?自分達ばかりが損な役回りをさせられているのではないか?そんな声が聞こえてくる。今年行われる富山市議会議員選挙と東京都議会議員選挙で選挙民はどのような判断をしていくのであろうか、大変興味深い。


吉澤比佐志

ムダ取りとは

どこの企業でも、業務の「ムダ」を見つけそれを排除し、生産性を高める事に関心のないところはないと思う。実際県トラでも、JITの手法を用いての改善を継続的に行っているし、今年度は社内のシステムの刷新を行い、生産性を高めてきた。企業活動は常にムダ取りとの戦いであるが、ムダとは何かを意識することがまず第一歩であり、ムダと感じる感性が無ければ話は始まらない。JITで定義された「ムダ」には「造りすぎのムダ」「手待ちのムダ」「運搬のムダ」「加工そのもののムダ」「在庫のムダ」「動作のムダ」「不良を造るムダ」がある。業種によっては、関連しないものもあるが、これらのカテゴリーに合致するムダをあぶり出し取り除くことにより、「カイゼン」が実行され生産性が上がっていく。企業においてはやる気さえあれば、社内からの強い不信感や抵抗がない限り成果は上がる。しかし、政治の世界ではこれがなかなかうまくいかないようだ。誰が考えても、戦争は究極のムダであり、各国の防衛予算もムダである。これらの出費は税金によってなされるものであり、戦争や防衛が無くなれば、その分消費が拡大するわけだから、世の中は豊かになるだろう。こんな小学生でもわかりそうなことを、大人ができないのは何故か?そこには、想像を超えた人間の業や欲望が渦巻いているのだろうか?豊かな国では想像もできない程の貧困や、長年に亘る民族間の確執があるのかもしれない。いずれにしても、敵対することのムダの大きさは計り知れず、残念ながら拡大の方向にある。また、視点を身近なところに向ければ、今年日本中を騒がせた富山市議会の政務活動費の不正受給がある。
北陸新幹線の好印象を吹き飛ばすほどの不名誉な事であった。限られた給与や政務活動費で地方のために頑張っていると思っていた議員が遊興費捻出のために不正を働いたことを悪びれもせず語る姿を見て、我々が日々行っている「ムダ取り」がむなしく思えた。実際、不正受給発覚の発端となった、市議会議員の給与引き上げの理由が、議員定数の削減により議員一人当たりの業務負担が増えた為、と聞いた時には耳を疑いたくなった。我々が改善を行う際には常に「20%の生産性向上」を考えるからである。問題発覚を受け、市民感情を恐れ給与引き上げに白旗を上げる姿は、滑稽としか言いようがない。確かに、世の中にはムダが溢れている。人間の存在自体がムダなのだと言えばそうなのかも知れないが、ムダは人の考え方や心の在り方から生じていることは間違いなさそうだ。小さなことに腹を立てたり、心配したり、実体のない恐怖に怯えたりと、果実を生まない感情に支配されている。一年の終わりに心の中のムダ取りをしてみようかなと考えている、今日この頃である。

吉澤 比佐志

近未来の物流業

野村総研と英国オックスフォード大学の共同研究により、国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボットで代替される確率を試算した結果、この10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらが代替することが可能との推定結果が得られたそうである。そして、現在ひとがやっていることを自動化できる代替可能性の高い100種の職業の中には、一般事務員、受付係、出荷・発送係員、倉庫作業員、宅配便配達員、保管・管理係員、経理事務員、積卸作業員等の物流業に係る業務が多く含まれている。また、これらの職業に加えてアメリカではトラックの自動運転が試行されており、実用化を模索しているというニュースが先日NHKで報道されていた。人口減少が大きな問題となっている日本では、さまざまな職業の自動化に対する研究が、今後益々加速度的に進むであろう。特に物流業界のような人手不足が深刻な業界では、この流れは業務全体の仕組みを変えることになると思うし、これは避けて通れない道であると思う。一方見方を変えれば、新しいテクノロジーを駆使すれば、生産性を飛躍的に高めることが可能になるという側面があることを忘れてはいけない。現在欧米では、コストの安い外国人労働者により自国民の仕事が奪われ、失業に追いやられることが問題になっているが、これからの技術革新の方がはるかに脅威になるのではないだろうか?どれだけ不満を言ったところで、問題は頭のいい人たちがどんどん解決していくのであり、新しい環境に適合できなければ、人も企業も淘汰されていく事になる。これからの世の中の変化を嘆き悲しむのではなく、それをいかに有効に我々の仕事に取り込めるのかを考えることはワクワクする事であり、たとえ今の仕事が無くなっても、他にやるべきことが必ず有り、それに適合できれば今よりはるかに豊かな生活が可能になるように私は思う。物流業を魅力ある業界にするためにも、環境の変化を好機と捉えたいと思う。

吉澤 比佐志