富山の観光を思う

2年後の新幹線の開通に向け、行政は観光客をいかに富山に呼び込むかに躍起になっている。
地元新聞の記事も、新幹線開通後の街作りに関するものが多い。
当然の事だと思う。誰もが街の生き生きした姿を望んでいるのだ。

先日、東京でサラリーマンをしていた時の会社の後輩たちが是非富山に行きたい
と言って来た。
土曜日の朝一番の新幹線経由で富山に10時15分に到着すると言う。
その後ホテルに荷物を置き、10時45分ごろの高山線で越中八尾に行き、
曳山会館にバス又はタクシーで行き、諏訪町でランチをする予定だとか。
コース的にはなかなかいい。
一所懸命調べたんだろうなあと思いながら、しかし高山線のダイヤは大丈夫なのかと調べたところ、
越中八尾に行く電車は10時27分12時32分しかない。
つまり、駅前とは言えホテルに荷物を預けていると電車には乗れず、2時間の空白ができる。
それを避けるためには、大きな荷物をゴロゴロ引きずりながら八尾の町を散策するしかないのだ。

都会で生活している人は、電車は「駅に行けば来るもの」と思っている。
山手線の時間を調べて駅に行く人は皆無に等しい。
高山線という比較的全国区の路線のダイヤが2時間に一本など、想定外だったのだろう。
肝心の部分を見落としていたようだ。
すぐにその旨を伝えるメールをした。
同時にレンタカーでの行動をアドバイスした。
免許を持っているとは言え、ペーパードライバーが多いので、どんな選択をしたのかはまだ聞いていないが、見知らぬ土地をナビの誘導を頼りに運転するのは不安だろう。
おまけに、レンタカーはリスクと経費が増える。
新幹線開通前の現在は観光客にとって、目的地までのアクセスはお世辞にも良いとは言えないのだと痛感した。

新幹線の良さは何と言っても東京から2時間で富山に到着する事だ。
そして、観光客はそのスピードに見合った目的地までのアクセス時間を要求するのではないだろうか?
その為には、観光客と目的地を繋ぐアクセスの見直しが急務である。
車を使わないアクセス方法の確立を真剣に見直さなければ、それが整っている都市へ人は流れて行ってしまうだろう。

いずれにせよ、今回は仕事の都合で午前中は相手が出来ないのだが、午後はフルアテンドで富山の良いところに連れて行く予定だ。
多くの人に富山を気に入ってもらうために、出来るだけのことをしたいと思う。

 

吉澤 比佐志

 

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