ウクライナ紛争に見る人間の本質
ロシアとウクライナの紛争が長引いている。ほんの少し前までは平和であった地域が一瞬のうちに地獄となった。誰が見てもロシアの一方的な侵略だが、ロシア側はその正当性を主張している。自分たちの言う事を聞かなければ力ずくで従わせる、というのがロシアの行動だが、これを認めれば世界の秩序が崩壊してしまう。加えて、ロシアとウクライナの紛争の歴史や背景などについても様々な主張や分析が有るので、見ている方はどこに真相を見出していいのか混乱してしまう。所詮戦争というのは、何が有っても勝てばいいので、フェイクニュースによるかく乱も戦術として成立する。過去の戦争をみてもそれは明らかであり、戦争は勝った方が正義になる事が多い。 日本は第2次世界大戦後、平和な時代を過ごしてきた。今年で終戦から77年になろうとしている。もうあのような悲惨な戦争は無いと思っていたが、ウクライナを見ればそれもただの願望でしか無い。日本の回りには脅威になりうる国がたくさんある。ロシアのような理屈で喧嘩を売られる事など無いと誰が言えようか。現実を直視して国を守る有効な対策を進めていかなくてはならない。 ロシアの侵攻はその理由がどこに有るにせよ、なぜこのような理不尽な形になったのだろうかと思うと同時に、その一方で相手を口撃して辛い思いをさせたり、有りもしない事をさも本当のように主張して相手を欺くという事は、平和な国の中でも起こっているのではないか?頑張っている人の足を引っ張る、困っている人がいても見て見ぬふりをする、こんな事が身近でたくさん無いか?下手をすればその行為で人が命を落とすことも有る。 ニュースを見てロシアを理不尽と思う人が、平和な国で誰かを傷つけている。テレビに映し出される悲惨な戦争を見ていると、誠実さや人に対する思いやりなど大きな力の前では無力に思えてくるが、平和な考えや行動を少しでも多くの人が持つ事でしか、世の中は変わっていかないのだとも思う。平和の有難さに感謝すると同時に、平和な心で人々と接して行かなければと思う。 吉澤 比佐志